なべさんぽ

ちょっと横道に逸れて散歩しましょう。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『砂漠のカーリマン』ー「伝説」はけっこう現実的だー

今年も残すところ後少しとなりましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?ここ数年は伝染病や戦争といった嫌なことが続いておりますが、来年こそはよい年になって欲しいものです。 今回はマンガ『MASTER KEATON』の『砂漠のカーリマン』というお話を題材…

『頭がいい』ことはよいことか?ー『矛盾』について-

12月に入り急激に寒くなりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?体調を崩さないよう暖かい服装をしてくださいね。 私は塾講師をしておりますが、二学期は中学生に古文漢文を教える機会が多く、今年もそうです。今回は漢文の授業で扱う故事成語『矛盾…

『紅の豚』は何故ブタになったのか?

最近実写版『耳をすませば』が公開されましたが、今回の話題はジブリつながりということで「『紅の豚』はなぜブタになったのか?」です。 前回のブログで扱った『シン・ゴジラ』は6年前公開の映画でしたが、『紅の豚』は30年前の1992年公開というもっと古い…

『シン・ゴジラ』を観て抱えたモヤモヤ

大雨が続くイヤな時期になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか? 今回は映画『シン・ゴジラ』についてのブログです。この映画の公開は6年も前のことであり、皆さんはそんな前の映画について今さら語ることなどないだろうと思われるかもしれませんが、私…

【最終回】詩的表現が『わかる』ー強く美しい人ー

暑さが一段落し涼しい風も吹き始めたこの頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は「詩的表現が『わかる』」の最終回です。8ヶ月かかった連載も今回でようやく終わります。やっとです。皆さんに申し上げるべきこともいろいろとございますが、あい…

【本編⑨】詩的表現が『わかる』ー魔法と魔女ー

日本全国で暑さが続くこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?体調を崩してはいませんか?くれぐれもお身体には気をつけて下さいね。 今回は『詩的表現がわかる』の最終回、の予定でしたが、また終わらなかったので次回を最終回にしたいと思います。申…

【本編⑧】詩的表現が『わかる』ー判断力のない王さまー

木々の葉が青々として爽やかな初夏ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。また更新にずいぶん時間がかかってしまいましたが、「詩的表現が『わかる』」の第9回目です。 前回は『カエルの王さま』物語冒頭の問題点についてお話ししました。その問題点とは「…

【本編⑦】詩的表現が『わかる』ーお姫さまの親切ー

お正月から始めたこの「詩的表現が『わかる』」という続き物のブログですが、もう桜が散る時期になってしまいました。更新に時間がかかりましたが、ようやく【本編⑦】です。前回で「美醜の問題」は終わり、今回からは完全に『カエルの王さま』に戻りたいと思…

【本編⑥】詩的表現が『わかる』ー和田アキ子の怯えー

寒い日と暖かい日が交互に続き、三寒四温という言葉が実感されるこの頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 前回は『カエルの王さま』を読みながら「美醜の問題」をお話ししましたが、今回はその続きです。 「カエルのような風貌の醜い男」の「醜い」…

【本編⑤】詩的表現が『わかる』ー再び『カエルの王さま』ー

東京・千葉は暖かくなり、20度を越える日もございましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? この続き物のブログも六回目になりましたが、そろそろ皆さんはお疲れかと存じます。と申しますのも、このブログの題名は「詩的表現が『わかる』」で、グリム童話…

【本編④】詩的表現が『わかる』ー頭がよい人ー

今回も前回の続きです。 『カエルの王さま』を読み解いている途中で美醜の判断を皆さんに下してもらう必要が生まれましたが、それはなかなか難しいことでした。そのため、先に「美醜の問題」を片付けてしまおうということで前回まで「美醜の語りづらさ」の原…

【本編③】詩的表現が『わかる』ーズルい取引ー

今回も前回の続きです。 『カエルの王さま』を読み解いている途中で美醜の判断を皆さんに下してもらう必要が生まれましたが、それはなかなか難しいことでした。そのため、先に「美醜の問題」を片付けてしまおうということで前回から「美醜の語りづらさ」の原…

【本編②】詩的表現が『わかる』ー美醜の語りづらさー

今回も前回の続きです。 前回の終わりで私は、『カエルの王さま』は美しき者は善であり、醜き者は悪であるという価値観で作られていて、皆さんが美醜の判断を下せないと先に進めない、と申し上げました。皆さんは美醜の判断をお持ちですが、ご自分の判断に自…

【本編①】詩的表現が『わかる』ー詩人との闘いー

さて、今回はいよいよ『カエルの王さま』の読み解きに入っていきます。『カエルの王さま』はグリム童話の巻頭を飾る作品で、童話の代表格と言えます。 童話にはよく荒唐無稽な設定や展開があります。この荒唐無稽さは通常は「まあ、子供向けの話だから…」と…

【序】詩的表現が『わかる』ーカエルの王さまー

新年明けましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いします。 ここ数年コロナ禍でなかなか明るい気持ちにはなれませんでしたけれども、今年はよい年になるといいですね。 今回は「詩的表現が『わかる』」で、詩的表現がよくわからないとい…